第1章

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ここは仲間の1人の親父さんが経営していた、産廃業者の廃棄物保管倉庫が立ち並び、トラックや重機などが置かれている会社の敷地内である。 敷地内に建てられた社員寮の1室、冷暖房完備の部屋を与えられていた仲間の部屋を、俺達、高校の落ちこぼれグループは溜まり場にしていた。 去年のお盆に発生したゾンビパニックの際も、冷房が効いて涼しい仲間の部屋でゴロゴロしていた俺達は、そのままこの会社の敷地内に立てこもる。 敷地内に10棟ある倉庫の中には、横流しする為のミネラルウォーターや缶詰めにレトルト食品、何時収穫されたのか分からない米などの食料品や、生活必需品が大量に保管されていた。 賞味期限が切れた物もあったが、背に腹を変えられない事もあり、それらを食って俺達は生きている。 頭を叩き潰された馬鹿の死体は、仲間達が、重機で掘ったゴミ捨て用の穴に引きずって行く。 俺は、頬張っていた肉を飲み込み、更なる肉を求めて金網に歯をたてているゾンビを見て思う。 こんな30過ぎの婆に欲情するなんて、ほんと馬鹿だよな。 死体を引きずって行く仲間達の尻を眺めながら、俺は口から涎が垂れそうになり、慌てて袖で拭うとみんなの後を追った。
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