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「京子さん。とても特殊なお客さんから指名入ったんですが、どうします?」
「特殊って……余りにも不潔でなければ構わないですけど。最近は縛ることも覚えてきたので、大丈夫ですよ」
「ああ、うーん。不潔ではないんだ。というか、この店始まって以来の女性客でね。しかも、京子さんをご指名なんだよね」
まさかの女性。いや、この店は男性専門ではないから女性でも問題はないのだけど。所謂、同性愛の方なのだろうか。菊野に「やめときます?」と言われて、私は特に深く考えずに「大丈夫ですよ」と言ってしまった。これが、私の人生を更におかしくさせるとも知らずに。
菊野は少し安心したような表情を浮かべると、従業員に連絡をし始めた。そして、電話が終わると「それじゃあ宜しくお願いしますね」と言って部屋から出ていった。初めの頃なら戸惑ったかもしれないけれど、数か月働いている中でアルバイターの青年から中年くらいの医者まで様々な男性の、様々な性癖に触れ。時に罵倒し、時には道具を使って痛めつけることに快感を覚え始めていた。
おそらく私自身の性癖もサディスティック的な状態に変貌しているのだろう。男性であっても女性であっても苦悩する表情に、きっと私は快感を覚える。そう確信していた。
部屋に入って来たのは、まだ20歳に成り立てのような若い女性だった。屈強な体つきでもなく、どちらかと言えば華奢な印象だった。彼女は真理と名乗った。私の思った通り彼女は同性愛者だった。私のような顔つきの女性が好みだと言う。私自身、特別に同性愛的な感情はなかったけど好みだと言われて悪い気はしなかった。
しかも、彼女はどうやらマゾヒストらしい。何度か色々なお店に掛け合ったものの、女性であるために来店拒否されてしまうことが多かった。と彼女は語った。それから、真理に
「どうされたいのか」などのプレイ内容を話し合った。元々性的なことに関してはNGだったけど、相手が女性ということもあって、性的なこともOKとした。
そして、その日は延々と延長を重ねて真理が満足するまで時に叩き、責め、縛り、蹂躙した。途中で何度か真理が失神しかける表情を見て、私は女性も悪くないものね。と思った。更に彼女の白い肌を叩いて赤く染める度に男性とは異なる、征服感が私の感情を占めていた。
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