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「分かった。占ってみろ。」
ウィルがそう言うと、ジャスティンは嬉しそうな顔と大げさなリアクションをしてから懐から紙とペンを取り出す。
「まずいくつか質問をしますから~」
「少しだけだぞ。」
「すぐ済みますよ~」
「フルネームは?」
「ウィル・ウィア・ヘンデル。」
「誕生日は?」
「9月15日。」
「好きな本は?」
「おぞましい二人。」
「好きな色は?」
「黒。」
「好きな食べ物は?」
「…消化にいいもの。」
「好きな念能力は?」
「……ペインパッカー。」
「好きなスタンドは?」
「………ハーヴェスト。」
「好きな兄貴は?」
「プロシュ……って何だ好きな兄貴って!?さっきから!!占いと関係あるのか!?」
ジャスティンの意味不明の質問にウィルは怒りだす。
ジャスティンは気にする素振りも見せずペンを走らせる。
「ああもう終わりですから。……あとはぁ…ここから一枚引いてください♪」
ジャスティンはにっこり笑い、トランプのような物を束ねてウィルに差し出す。
ウィルは適当に一枚引き、ジャスティンに渡した。
「どれどれ~♪………」
ジャスティンはカードと紙を交互に見つめ、何やら計算をしている。
そして3分程して顔を上げた。
「最悪ですね。」
「は?」
「大変言いにくいのですがぁ…今日のウィルさんの運勢は最悪です。やることなすこと裏目にでてついてない。今日は1日寝てるのが吉。ですね。」
眼鏡をクイッと直して言うジャスティン。
「さ…最悪だと!?馬鹿な!もう一度引かせろ!!」
ウィルは憤慨し、強引にカードを一枚引いた。
「うわっさっきより悪い……」
「!?」
その後何回やっても悪い結果しか出なかった。
「ま、まあ気の持ちようですよ。占いなんて当たるも八卦当たらぬも八卦って言いますし!!」
ジャスティンはウィルの肩を軽く叩くと、どこかに行ってしまった。
「………………」
長廊下に立ち尽くすウィル。
…そうだ。ジャスティンのにわか占いなんて当たるわけない。
今日はいい日なんだ。いや、いい日じゃなくてはならない。
ウィルは拳を握りしめた。
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