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「森に行こう…?」
大広間のソファーに座って、本を読んでいたリーヤ。
目の前に立つ召喚主の少女を、うっとうしそうな瞳で見あげる。
「そう。今日はもう授業ないでしょ?あのね、森の奥に珍しくって綺麗な花があるんだって。それ、一緒に見に行こう。」
できる限り笑顔で、リーヤに話しかける。
しかしリーヤは、再び本を読み出す。
「今本を読んでるんだ。…分からない?」
冷たくあしらうリーヤ。
その言葉に、思わず引きそうになる足を、ぐっと止める。
「あ…のね、脳って、刺激を受けることで活性化するんだって。ストレスも軽くなるし、見たことない珍しい花なんか見たらすごい刺激になるんじゃないかな。本を読むよりさ。活性化するってことは結果全ての効率が上がるってことだよね…ってことで森行こ!!!」
このセリフを一呼吸で言ったアリアは、肩で息をしている。
ゼーゼーと息を切らすアリアを見るリーヤ。
周りにいる人達も、思わずふたりを見る。
「…………うん。」
渋々、納得いかないといったような顔をしながらも、アリアの迫力に押され、思わず返事をする。
「本当!!!」
アリアは満面の笑顔になり、心の中でガッツポーズをする。
よーし!!
リタの話だと花は結構奥に生えてるみたいだし、名付けて
“ふたりで困難を乗り越えると仲良くなるのは必然である”作戦ーー!!!
アリアは気付かなかったが、
大広間にいる人達から、温かい拍手が送られていた。
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