~ウィルの奇妙な1日~

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朝の爽やかで柔らかな日射し。 窓から見える草木は朝露でキラキラと煌めいている。 久しぶりの自分のベッド。 久しぶりのゆっくりした朝。 その幸せを噛みしめながら、ウィルは目を覚ます。 ウィルは体を起こすと、んー…っと体をのばす。 まだ微睡む目をこすり、きちんと整頓された、暗いトーンで統一された自分の部屋を見渡す。 そうして今日は自分の部屋で寝たのを思い出す。 ここ数ヶ月任務が立て続けで、正直体がもたないところだった。 そうして貰えた久しぶりの休暇。 たったの3日だけだが、やっぱり自分の部屋は落ち着く。 長く本部にいるから、本当の家の部屋よりも落ち着くようになってしまっている。 まあ、家はほっとする場所なのだが。 ウィルはベッドから降りる。 たっぷり寝たせいか、今日は調子がいい。 立ちくらみも無い。 ウィルはもう一度伸びをした。 今日はきっと、良い1日になる。 ウィルは何の疑いもなくそう思った。 「うわっ………最悪ですね……」 「は?」 遡ること30分前。 ウィルは朝食の為に食堂へ続く長廊下を歩いていた。 そしてあの男。 変人で有名な科学技術課の若き天才、ジャスティンに会った。 ありふれた挨拶をし、さっさと食堂を向かおうとするウィルをジャスティンは引き留める。 「僕今占いにハマってるんですよね♪久しぶりに会ったんですから」 ぐるぐる眼鏡の少年は楽しそうな笑顔を向けてくる。 「占い…?科学技術課の奴がそんなものにハマるのか?」 「何をおっしゃるウィルさん!!占いすなわち統計学!!十分科学的じゃないですかぁ!!」 得意げな顔をして大声で喋るジャスティンを、ウィルはうっとおしそうに見る。 「で、どうでしょう!1つ僕が占って差し上げましょう。今日の運勢とか。」 ジャスティンはそう言うと、トランプともタロットカードともつかないカードを白衣のポケットから取り出す。 「……今日の運勢…か。」 いつものウィルなら占い何かしない。 だけど今日は久しぶりの休暇で、体も軽くて、気分が良かったから。 だから、占ってもらうことにしたんだ。 そして奇妙な1日は始まる。
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