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「どう話したらいいかな…」なんて信が考え込むような仕草をして呟くが、それは照史も同じ気持ちだった。
どう話したら付き纏うのを止めるかと頭を悩ませていた。
「弱っていた僕を照史は助けてくれたじゃないか」
信はまるで懇願するかのように言う。
昔の飼い猫だという話の続きなのだろうと照史は思った。
「じゃあなんだ。お前は俺が助けたお礼に恩返しでもしてくれるって言うのか?」
「いやいや、あれは飽くまで美談だからね。僕はそのつもりじゃないけど」
「意外と夢見がちなんだね」と小馬鹿にしたように信が笑う。
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