消えぬ思いは、断ち切れん縁となって

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12歳の頃、4年程の間可愛がっていた猫が急死した。朝起きたら隣で冷たく固まっていたのを今でも覚えている。 5歳程度の猫で人間で推定すれば36歳だと言うから老衰と言うにはあまりに若すぎた。 白くて線の細い綺麗な顔立ちの猫だった。 俺が8歳の頃、学校の帰り道に拾ってきたのがきっかけで飼い始めたのだが後々、親から聞いた話では随分と弱っていたらしい。 あの頃は生き物とあれば興味を示していたので俺は物珍しさに拾ってきたのだろうと思う。 後にも先にも飼ったのはこの一匹だけで別段、猫好きという訳でもないから不思議なものだった。
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