消えぬ思いは、断ち切れん縁となって

執念深いストーカー

「人をおちょくるのもいい加減にしろよ！」

照史は怒鳴りつけた。すると、信はビクッと体を跳ねさせると泣きそうに目を潤ませた。
想像していなかった信の反応に照史は幾分か戸惑ってしまう。

「はぁ、大きい声にはなれなくてね。悪かったよ。怒らせる気はなかったんだ」

「話せたのが嬉しくて、ついね」そう言って信は笑ってみせた。
どうやら、本当に悪気はなかったらしい。

「でかい声出して悪かったよ」少し謝ることに不満を感じながら照史は信を見る。
すると、信の生え際のあたりに赤紫色の痣があるのに気がついた。
髪で隠れていてよく見えないが痛々しい色合いの痣が風が吹くたび見え隠れする。