執念深いストーカー

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「お前、これ。どうしたんだよ?」 照史は信の髪を掻き分けて確認した。 一瞬、隠そうとする素振りを見せたが手を振り払うこともなく信はジッとしていた。 「僕は昔から親との縁がなくてね」 そう言って信が笑う。 「どういうことだよ。殴られてんのか?」 「まぁ、たまにね」 照史の心配そうな顔に気付いてか信は「平気。平気」と続けた。 「何だよ。それ…。大丈夫なのか?」 「だから平気だって。僕は生まれた時から照史に会えるって分かってたからね。現状がどうあれ会えたからいいさ」 照史は困ってしまった。信の言っていることを鵜呑みにした訳じゃないがこういった状況を目の前にして放っておける性分でもなかったからだ。 照史は大きくため息を吐くと決心したように信に言う。 「もういい。とりあえず話聞くから中に入れ」 自分の性格に嫌気がさすのを感じながら。
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