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「今は信って名前なんだけど昔みたいにハクって呼んでくれてもいいよ」
「何だ。それ…っ!」
ハクとは昔照史が飼っていた猫の名前だった。
白い猫だったのでハクと名付けたのだ。今、思い返せばなんて単純な名前をつけたものか。
しかし、この男子高生はいよいよ気持ちが悪い。
照史は信と名乗る男子高生から手を離すと早々にその場を去ろうと歩き始めた。
「待ってよー。体調が悪いのは本当なんだよー」
信の悲痛な声が聞こえる。
照史は足を止めた。一度は関わってしまった為に見て見ぬ振りも出来ず、信の元へと向き直る。
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