A.ウーマンズ

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かくいう私はそんなことを口にするわけもなく。 周りの環境に感謝しているようなそぶりを見せ、とにかく謙虚に過ごした。 そうすれば、周りの人間がみんな私を守ってくれる。 ずっと「死にたい」という気持ちは絶えなかったが、死のうとするたびにあの世で両親が待っていたら、という言葉が脳裏をよぎり、死ねずにいた。 自分たちを殺した私を、両親はどう思っているだろうか。 そのようなことばかり考えてしまう。 大学生になった私は、当然のことではあるが周りからは好機の目で見られた。 高校生の時のように事情を説明してくれる先生が居るわけでもなく、クラスという限られたくくりがあるわけでもない。 広大な敷地の中で、私の顔半分のやけど跡はより好奇心をくすぐるものなのだろう。 高校生の頃から一緒の友達と常に行動を共にしていたが、それでも話しかけてくる人は絶えなかった。
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