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「死なない女?」
思わず私も口を開いてしまった。
隣の席に座っていた女学生が、私の方を見て興奮気味に話す。
「そう、自分でそう言ってるみたいなの。で、実際にあちこちから飛び落りてみたり、剣を刺したりしているんだけど、本当に死なないのよ!すごいよね?」
すごい勢いで詰め寄られてしまい、私は思わず後ずさりした。
「そんなの手品に決まってるでしょ。てか、なんであんなところに居るの?もしかしてまた死なない手品の披露?」
前の席に座っていた別の女学生が言う。
その瞬間、教室の空気が止まった。
見れば、死なない女…アリサが空中に身を投げ出していた。
その体に命綱のようなものは見えない。
そして、確かにアリサはこちらを見て笑った。
私の方を見て無邪気な子供のように歯を見せて笑ったのだ。
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