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両親にもその数値のことを打ち明けたが、子供の戯言だと取り合ってくれなかった。
というよりも、成長期によくある虚言であると思われていたようだ。
まあ、生きていく上で数値が見えるか否かはそんなに重要なことではなかったため、そのうち私は数値を見ても、何も思わなくなった。
むしろ、みんな本当は数値が見えていて、それを口に出さないことが当たり前なのだとすら思い始めていた。
小学校3年生に上がる頃、元々人懐っこく明るかった私はクラス委員となり、みんなの中心的な存在となった。
私の人生の転機は、その年の11月15日。
街が夕闇に沈みかかるほんの少しの時間。
公園で友達と話し込んでいたら、すっかり帰りが遅くなってしまった。
道行く人たちの頭の数値を横目で見ながら、息を切らして帰路を走った。
家の玄関が見える位置までくると、玄関先に仁王立ちする母親の姿が見えた。
「あちゃー。」
私は足を止めて、一人でポツンとつぶやいた。
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