A.ウーマン

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父親に叩かれた肩を「痛いよ」といいながらさすり、ふと父親の顔を見上げた。 「13892/1」 いつも通りに数値が浮かんでいるのだが、いつもと違うことがひとつだけあった。 昨日までの父親の数値は、「13891/15002」だった。 それが今日になって急に、父親の左側、私から見て右側の数値が「15002」から「1」になったのだ。 なんだかとても嫌な予感がして母親の方を見ると、「13725/1」という数値が母親の頭上に表示されていた。 母親も気の時点では数値は父親と同じくらいあったはずだ。 胸がざわざわする。 呼吸が早くなって、心臓がバクバクと激しく脈打つのを感じた。 今まで気にも留めていなかった数値が、私の胸のあたりをちくちくと刺してくる。
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