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「お父さん、お母さん。」
荒くなりそうになる呼吸を何とか整え、父と母に呼びかける。
「明日は、絶対に家から出ないで。お願い。」
私が言うと、父親も母親もきょとんとしていたが、すぐにお互いの顔を見合わせて小さく笑うと、小さく震える私の頭に父親がそっと手をおいた。
「もしかして、前に言っていた数字が見えるってやつのことか?それなら心配いらな…」
「お願いだから!」
父親の言葉を遮り、温かい手を払いのけて、私はうつむいたまま怒鳴った。
父親も母親もそれを見てただ事ではないと思ったのか、今までの和やかな顔から一転して困惑したような、険しい表情になった。
「…わかった。明日は会社休んで家にいよう。お前ももう今日は寝なさい。」
父親に促され、私はその部屋を追い出されて自分の部屋へと向かわされた。
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