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鷹野は窓際のデスクから書類を取り出した
「今から渡すのは、ある事件に関する書類です。ここにある資料を元に、犯人と、その犯行内容を推理してください」
鷹野は、一人一人にそれぞれ(なぜか)異なった紙を渡した。林崎は容疑者と思われる三人の写真を手に入れた。三人はどうやらビジュアル系バンドをやっているらしく派手な化粧をしていた。その紙の下部にはプロフィールらしきものも書いてある。問題にしてはやけにその設定が細かい。
「時間は、そうですね、私が帰ってくる迄にしましょう」
「え、どこかに行かれるのですか?」
またも林崎が尋ねた。
「ええ、急ぎの用がありまして。まあ、一、二時間もしたら戻ってきますよ。では、頑張ってくださいね」
鷹野はこちらが危惧していることに気付いているのかいないのか、ついに微笑を崩すことはなかった。
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