第17章  前触れ(続き)

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「あの、ダイニングなんてお洒落な場所はなくて……」 彼の上着を脱ぐように促しつつ、彼女がちょっと恥ずかしそうに言う。 そして案内された、すぐ目の前の六畳間には、 小さな座卓の上に既にたくさん料理が並べられていた。 鶏のから揚げ、トマトとマッシュルームのグリーンサラダに ジャーマンポテト。 それぞれの箸の前には、前菜とばかり 極、小振りなカナッペが三種類ほど銘々皿に並んでいる。 「これ全部、那々ちゃんが作ったの?」 そんな賑やかな座卓に、驚き半分、嬉しさ半分で 忍は、ニヤけそうになりながら尋ねる。
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