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「どれも、お弁当の常連だから……」
小さくキッチンの彼女を振り返ると、
ちょっと恥ずかしそうに彼女がモジモジしている。
そして、
「座ってて」
照れ隠しなのか、彼に背中を向けて何かをする彼女を残し、
忍は、履いたばかりのスリッパをほんの数歩だけで再び脱いで
部屋に入った。
ベッドが大きく幅を取っているそこには、小さな整理ダンスと姿見。
あとは、元は押し入れだったという
クローゼットに収められているのだろうか。
狭い中に、上手に空間が作られている。
そんな部屋を興味深げに見まわしていた忍の背後から
入ってきた彼女が、再度座るように促してくる。
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