第17章  前触れ(続き)

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まだ、彼女とこうして肌を重ねて愛し合うようになってからは、数えるほど。 しかし忍が触れる度に、新たな彼女が生まれ、 彩るように、その艶やかさを増していく。 同時に、そんな彼女に、忍はどんどん溺れるように狂わされていく。 そしてこの夜、狭いベッドでピタリと寄り添い、 そんな事が素直に彼の言葉に乗った。 「那々ちゃん、益々キレイになってきたね」 「えっ……?」 まだ余韻の中なのか、トロンと忍の肩に寄せていた彼女の顔が、ふと上がる。 「もちろん、最初の頃は緊張もあっただろうから無理もないけど。 でも、それが消えてきてからは、いつも僕の方が狂わされる」 「ええぇ……?」 その言葉に、更に困惑をする彼女の腰を、忍はそっと引き寄せた。
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