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ー桜公園、桜の木の側ー
『向日葵、ありがとう』
『元気でな…じゃあ…』
『待ってください』
蓮実はその場から消えようとする向日葵を呼び止めた。
『何だ』
『あなたのお陰で兄貴の恋が認められました、ありがとう』
蓮実は優しく微笑んだ。
その時、向日葵の胸がドキドキした。
『桜を悲しませたくなかったから…じゃあな…』
向日葵はその場から消えていった。
『兄貴、明日、父さんと母さんに会いに行こう』
『そうだな…蓮実』
『……』
蓮実は蓮の顔を見た。
『父さんと母さんに互いの恋人が認めてもらうよう頑張ろうな』
『あぁ…』
『明日の恋人と俺の家に来い』
『わかった、じゃあ』
蓮実は走って公園を出ていった。
『行きましょうか』
『蓮君、何でみんな俺を見るんだ』
人々の目線が気になる陽希は蓮に問いかけた。
『陽希さんの美しさに見とれてるんですよ』
蓮は陽希の手を握り歩き始めた。
『どこに行くんだ』
『俺の家です』
『……』
蓮と共に歩きながら陽希は無言のまま蓮の家に向かった。
ー蓮の家ー
蓮は鍵を開けドアを開くと陽希を招き入れリビングに行った。
『飲み物を持ってきますから、ソファーに座っててください』
蓮はリビングを出てキッチンに行った。
ソファーに座った陽希はテレビに興味を抱いた。
『何だろ?…』
『お待たせしました』
2個のカップをのせたオボンを持って蓮が現れた。
『紅茶でよかったですかね』
カップを陽希の前に置くと蓮は向き合ってソファーに座った。
陽希はテレビに指をさしながら『あれは何だ?』と蓮に言った。
蓮は振り向き『テレビですよ』と言ってテーブルの上に置いてあるリモコンを掴みテレビをつけた。
『……』
驚いた陽希は言葉を失った。
蓮は立ち上がり陽希の側に座った。
『これでチャンネルを変えてみてください』
蓮はリモコンを差し出した。
陽希はリモコンを受け取り『どれを押せばいいんだ』と言った。
『数字があるでしょ…』
『これか…』
リモコンでいちゃついていた蓮と陽希は見つめあった。
『陽希さん…』
『蓮…』
陽希は顔を近づけ蓮の唇にキスをするとそのまま蓮の身体を倒した。
『陽希さん』
蓮は頬を赤らめながら陽希を見つめた。
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