美しい神様

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それから暫くしてインターホンが鳴った。 『……』 目を覚ました陽希は身体を起こしベットからおりると床に置いてある紙を掴み読んだ。 『この衣服を着てください』 陽希は上服とジーパンを着始めた。 何度も鳴るインターホンに陽希は部屋を出て『蓮、来たんじゃないのか』と叫んだ。 返事がなく陽希はリビングに行った。 『誰もいない…』 陽希はリビングを出て浴室に行った。 『ここもいない』 陽希は玄関に行きドアを開くと蓮実とぶつかった。 『陽希さん、どうしたんですか』 『蓮がいないんだ、探してくるからここにいてくれ』 陽希は走っていった。 その頃、蓮はコンビニで2人分の弁当と飲み物を買っていた。 『ありがとうございました』 『……』 店員から袋を受けとると蓮はコンビニを出て家に向かって歩き始めた。 『桜さん、もう起きてるかな』 蓮は走った。 そして桜公園の前を走った。 『やあ…』 『え?』 足を止めた蓮はまわりを見渡し雪也と目があった。 『桜と一緒じゃないのか』 『……』 蓮は近づいてくる雪也を睨んだ。 『怖い顔をするなよ、綺麗な顔が台無しになるぞ』 雪也は蓮の顎を掴んだ。 『触るな』 蓮は雪也の手を払い除けた。 『いいね、気に入った』 雪也は蓮の腹を殴り気絶させると雪也は蓮を連れ去った。 それから暫くして公園にやって来た陽希はまわりを見渡した。 『蓮、どこに行ったんだ』 『桜!』 『向日葵、紅葉』 陽希は足を止め駆け寄ってくる向日葵と紅葉を見つめた。 『何かあったのか』 『蓮がいなくなったんだ』 『……』 紅葉は地面に落ちている袋に近づきその袋を拾い立ち上がると蓮の気を感じた。 『彼の身に何かあったのかもしれないな』 紅葉は袋を持って陽希に近づいた。 『どういうことだ』 『この袋から彼の気を感じた…それと…』 『何だ、まさか』 『雪也の気を感じた』 『……』 『桜、お前は家で待ってろ…蓮さんは俺と紅葉で助けるから』 『桜…』 陽希に袋を渡すと紅葉は向日葵と共にその場から消えていった。 神の力がない陽希は仕方なく袋を持って家に帰っていった。 ー廃墟ビル、2階の部屋ー 蓮は両手首を紐で縛られ倒れていた。 それから暫くして蓮は目を覚ました。
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