美しい神様

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『怪我はないか』 『うん、あの人が部屋から出してくれたんだ』 蓮実は背後にいる向日葵に目を向けた。 『ありがとうございます』 蓮は向日葵にお礼の言葉を言った。 『向日葵、どういうつもりだ』 シーズンは怒った口調で向日葵に言った。 『桜の悲しむ顔はもう見たくありません、だから俺は桜と佐藤蓮さん仲を応援します』 『向日葵、わかって言っているのか』 『はい、わかってます…だから桜を人間にしてやってください』 向日葵はシーズンに土下座をし頭を下げた。 『向日葵』 陽希と紅葉は驚いた。 『桜の気持ちはどうなのだ』 シーズンは陽希に目を向けた。 『…出来るのなら神を捨てて…人間として蓮と暮らしたい』 陽希は真剣な顔で気持ちをシーズンに言った。 『向日葵、紅葉、3人だけにしてもらえるかな』 シーズンが言った。 『わかりました』 向日葵と紅葉は蓮実を連れて部屋を出ていった。 『シーズン様…』 『桜、今からお前の神の力を奪い取る』 『それでは』 『約束してくれないか』 『……』 『幸せになると』 『約束します、幸せになると』 陽希は目に涙を浮かべた。 シーズンは微笑みながら陽希の目に浮かぶ涙を手で拭った。 そしてシーズンは蓮に目を向けた。 『佐藤蓮さん』 『はい』 『桜を幸せにしてあげてください』 初めてシーズンは蓮に頭を下げた。 『シーズン様…』 陽希は驚いた。 『陽希さんを幸せにします』 『……』 顔をあげシーズンは真剣な顔の蓮を見て任せてもいいと確信した。 『桜、神の力をとるから目を閉じなさい』 『はい』 陽希は両目を閉じた。 シーズンは陽希のおでこに手をあて神の力を奪い取った。 『目を開けていいぞ』 『はい』 両目を開けた陽希は自分の両手を見た。 『入ってきていいぞ』 シーズンは廊下で待っている向日葵達に声をかけた。 そのあとすぐ向日葵達が部屋の中に入ってきた。 『向日葵、桜と佐藤蓮さんと弟さんを下界に連れていってやってくれ』 シーズンは隠し部屋に入っていった。 『俺の身体に掴まってください』 『蓮君』 『はい…蓮実…』 蓮と蓮実は陽希と共に向日葵の肩を掴んだ。 『しっかり掴まってろよ』 向日葵は陽希と蓮と蓮実を連れてその場から消えると桜公園に運んだ。
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