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「ただいま……米子。」
とある団地の6階に、尻に敷かれげっそりとしたバーコードヘアの男(50歳)。
「あーん?
おかえり。」
見事なまでのおかんパーマをかけ、体重はそろそろ3桁越えそうなおばちゃん(45歳)夫婦が住んでいた。
「米子……。
たまには、夜ご飯を作っては……」
「なーによ!!
私は、昼ドラ仮装の女の録画見るのに忙しいのよ!!!
自分のご飯ぐらい作りなさいよ!」
「………。俺は働いてるんだし、家事は米子が……」
男の名前は、冬木 薄蔵
おばちゃんを冬木 米子と言う。
「あんたねー。
そんな給料で働いてるとかよく言えるわね!
その程度の給料じゃ、私の香水も買えないじゃない。」
と、化粧台の上を指差す米子。
その上には、高級ブランドの香水が、数並べられており、米子は、それを一度に何種類も使うのだ。
ゆえに、薄蔵の給料は一般平均であるものの、生活は圧迫していた。
さらに、コタツに潜り込み、ボリボリと煎餅を食べながらドラマをみる。
これが、米子のライフスタイル。
米子は、昭和の生き残り、生っ粋なオバタリアンである。
「ったくもう!」
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