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祭りの日がやって来た。
祭りというのは、ぼくひとりでも夜に外出が許される、唯一の期間でもあった。
「みーちゃん!」
まっすぐ小堀に向かって走って、そう呼びかけた。でも、みーちゃんはいなかった。
「あれ……?」
おかしいなって、思いながら、仕方なしに例の如くザリガニ釣りをはじめる。でも夜だったので手許が見えなくて、まるではかどらなかった。
それで飽きはじめた頃、いつの間にかやって来ていたみーちゃんが、言ったのだ。
――最悪だよ、と。
そして彼女は、話し始める。その最悪のゆえんを。
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