第1章

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「この《26》は、アルファベットを意味していると思われます。Aから順に数字をふっていくと…あるワードが現れました。」 ホワイトボードにアルファベットを書いてその上に1から26まで数字を書いていく。 6-9-12-5 F I L E 8-9-18-1-11-21-14-1 H I R A K U N A ファイル 開くな 「先生、斉藤くん、どう思いますか?」 「凄いよ永瀬君。ファイルを開くなというメッセージか。だけど永瀬君、誰に宛てたものなんだろうね。」 「彼女に伝えたかったのか、その辺はまだわかりませんが…ファイルと聞いて何を思い浮かべますか?」 「パソコンですか?」 「素晴らしい!斉藤くん!その通りです。思い出してください。路地裏の怪しいネットカフェ。」 「うわぁ!嫌だ!俺は嫌だよ!永瀬君!」 「まだ、何も言ってませんよ。ねえ、斉藤くん!」 何だか…永瀬さんの目がキランっと光った気がした。うわっ、僕も松田さんと同じ事を言いそうになった。 「斉藤くん!永瀬君のトーク術には気をつけて。」 「先生!誤解を生むような言い方はやめてくださいよ。斉藤くん、大丈夫ですよ。先生と斉藤くん、おふたりとも僕が守りますから。」 「ほらっ、それ、それっ!怖いからっ!斉藤くんだってそう思うでしょ?」 なんだろう、本当にこの人達は。 なんていい人達なんだろう。僕、一生懸命に仕事します!
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