第1章

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松田さんと永瀬さんのやり取りを見ていると、容赦なく僕にも飛んでくる。 「斉藤くん!何、笑っているんですか。」 「いえ!笑ってません。」 「ぶはっ。斉藤くん、可笑しいよね。まったくお前達は、またやってんのか?」 編集長が入って来た。 「だって、編集長。永瀬君がまた企んでるんですよ。俺は嫌だからね。」 「だから、先生、まだ何も言ってませんよ。」 「大変だなぁ~斉藤くんも。ねえ。」 編集長が僕の顔を見て笑顔で言う。えーっ!僕は何と答えれば正解ですか? 「ぶはははっ。すまない、すまない。斉藤くん、そこは大変ですでいいんだよ。」 心を読まれた?僕が分りやすいのか…編集長がただ者ではないのか…はい、両方ですね…。 「まったく何が大変なんですか、編集長。先生も斉藤くんも、ちゃんと聞いてくださいね、いいですか?」 「聞くけど、先に言っておくよ。俺は嫌だからね。」 大人げない松田さん出現中です。でも、たぶん僕も嫌だと言ってしまうかもしれない予感がする。 「編集長、説明ここまではいいですか?じゃあ先に進みます。 ファイルを開くなという事は、見てはいけないファイルがあるという事です。 じゃあ、そのファイルはどこにあるのか! 可能性があるとしたら…。 失踪者の共通点は? そうです!居なくなる数日前に全員が立ち寄った場所。それはネットカフェ。」 永瀬さんが僕達を見てニンっと笑った…。うわっ…これって…まさか、松田さんのいう嫌な予感てやつですか…。
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