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聞き出そうとした、その時、斉藤くんの病室に駆け込んで行くナースを見て慌てて俺達も病室に行った。
寝ているはずの斉藤くんがナースコール?と不思議に思ったが、斉藤くんは魘されていた。心配する俺達は何も出来ず、ただ傍にいるだけだった。ナースが大丈夫ですよと言って点滴を調整して出て行く。
良かったと一安心したら、斉藤くんが、何か言ってる…。
「…ぎょう……に…んぎょ…う…」
「「「えっ!」」」
3人で、顔を見合わせる。
「今、斉藤くん、人形って言いましたよね。」
永瀬君が俺と編集長に同意を求める。
「ああ。確かに聞こえたぞ。永瀬、これは…。」
「ちょっと、先生。斉藤くんの事、お願いします。編集長はここに連絡してみてくれませんか?
僕は先程のネットカフェについて調べてきます。」
「えっ。永瀬君、ひとりじゃダメだよ。言ったでしょ?怪しい臭いがプンプンするって。編集長、一緒に行ってくださいよ。」
「お、俺?あ~、わかったよ。じゃ、斉藤くんは任せたからな。よろしく頼んだぞ。」
「わかりました。」
「じゃあ、先生、後でまた来ます。」
慌ただしく編集長と永瀬君が病室を出て行った。
俺は、永瀬君と編集長の誘導作戦に嵌まったのも気づかず、ふたりを送り出した。
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