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病院に戻ると斉藤くんの意識が戻っていた。
「斉藤くん、大丈夫ですか?」
「はい。迷惑をかけてすみません。」
「そんな事は気にしないで大丈夫ですよ。それより斉藤くん、あの場所ですが…。」
「はい。編集長、松田さん、永瀬さん。僕、あの場所を知っています。僕が誰なのか思い出せませんが、あの場所を思い出しました。」
「斉藤くん、本当に?何を思い出したの?」
「確かに、あの場所にはネットカフェがありました。断片的ですが中の様子を思い出しました。
僕、どうしてそこに行ったのか、わかりません。
中に入るとブースに別れてるネットカフェではなく全てオープンで、パソコンがたくさん置いてありました。前方に大きなスクリーンがあって…ガタガタガタガタ…」
「斉藤くん!僕に捕まってください。大丈夫ですよ。」
震えだした斉藤くんを永瀬君が、その震えをとめた。…流石です。永瀬君。
「ありがとうございます。」
「それで?」
「はい。そのスクリーンに日本人形がたくさん映っていて、まるで人形が自分の意思で動いて話してるようで物凄く怖かったんです。ゾクッとしました。急に一体の人形がアップになって、クックックックッ…クワッって…うわぁ!」
「斉藤くん、大丈夫、大丈夫ですよ。」
「永瀬君…それって…それって…菊野様…?」
「先生、大丈夫ですよ、落ち着いてください。編集長。先生。もっと此方に来て僕に捕まっていてください。」
怖いよ…永瀬君。言われた通りに永瀬君の腕を掴んだ。
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