第1章

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結果は、やはり記憶喪失だった。身体に異常があるわけではないので、自立して仕事をしながら記憶の回復に向けて取り組んでいこうという事で、生活保護を受ける事になった。 住まいは福祉課で探してもらいワンルームを借り、仕事は編集長がうちで預かるよと言い出し、編集部で雑用をする事になった。 「名前な…。う~ん。」 編集長が青年の顔を見ながら、浅川、今井、宇佐美、遠藤、緒方、河村、………名字を呼んでいく。 小泉、斉藤…。 斉藤のところで眉がピクっと動いた?動いた気がした。気がしたから。 青年は斉藤さんになった…。いいのか?これでいいのか? 「君は今日から記憶が戻るまで斉藤くんだ。よろしく斉藤くん!」 「えー、君、嫌なら嫌って言わないと編集長は強引だから…。」 「いえ。僕、斉藤でいいです。名前付けてもらって嬉しいです。」 何だか、ピュアな青年ですよ。歳もわからないけど若いのは確かだ。 斉藤くんは俺と永瀬君の傍で仕事をする事になった。取り敢えず、良かったね、斉藤くん。
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