第七章

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「驚いた、小春に先こされるなんて」 「なによー」 「恋愛とか興味無さそうじゃん」 ま、今もそんなに興味津々なわけでは無いですが。 本日から学校再開で、夏休みデビューした皆様を鼻で笑ってたシュンに春との話をしたわけです。 やっぱ、ね、誰かに話したいじゃない。かっこよくて優しい彼氏が出来ま…いや、いやいや、違う違う違う、春はキモいし、や、優しくなんか! 愚痴よ愚痴! 惚気なんかじゃ、ないんだから、ねっ!! 「で」 「で?」 「同棲してるんでしょ?どこまで進んでんの」 どこまで進んで… 「隣町の墓地」 「なにそれ、マジボケ?」 大いに真剣な小春ちゃんです。 「…ヤったの?」 「いや…何度か殺しかけたけど息はあります」 「そっちじゃない、うーん…性的な意味で」 せいてき…な… 「あー…まだなのね。同棲してるくせにキス止まりとか」 「きっ!キキキキスなんて!」 「は!?キスもしてないの!?」 「手も普段繋がないし…」 ため息つかないでよー。 「それ単なる友達じゃん」 「え?」 「恋人じゃないよ」 な!恋人よ! 確かに進展ないけど! 「今時幼稚園でもキスしますよ」 「ませがき…」 「僕が思うに」 シュンが真顔でハッキリと言う。 「彼に恋心は、無いね」 彼に、恋心は、無いね。 ……。 はあぁ!? 「18の男が好きな子と同棲してキスはおろか手も繋がないとかあり得ない、友達ですらないよ」 な、そ、そんな… 春は私のこと、好きじゃない。はは、まさかまさかー。アリエナイ。 アリエナイ…確証は、無いわけで。 告白は私からだ。 『好きだ』とハッキリ言われたことはない、けど。
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