第六章

11/14
前へ
/109ページ
次へ
こんにちは小春です違う今は夜だからこんばんはですねあははははえっとえっとえっと今私は肝試し中でそのさっきですね春とですね、はい。 はぐれました。 うわああああこんな墓地に一人きりとか殺される!オバケに殺される!いやああ!死にたくないよ死にたくないよー! う、動けない。 迷ったよ完璧。オバケ役もいないってことは完全に道間違えたよ。 「きゃっ!?」 く、草村から音が。…って、なんだぬこか。ぬこ鍋にすんぞこのー。 怖くないもん!こんな、だって、昼間は大丈夫だし!明るいか暗いかなんて!関係… 「ひぁっ!?」 め、目の前に誰か。…って、なんだ私か。 …ん? 私?なんで?なんで私が目の前に? も、し、か、し、ち、ゃ、う、? 『小春さん…?』 「きゃあああああっ!!」 でたあああ!!オバケでたオバケ!あとちょっとアレが出たアレが!ふふふ、汗だよバーロー!私は最強小春ちゃんだもんね!!ってなんか思考回路が。落ち着け落ち着け。逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ!! 戦うのよ、小春! あれは私の闇が具現化した存在! 「死ねセフィロォォス!!」 『もう死んでます』 ですよねー。 あーもー、泣きたい。 「呪わないで…チョコあげるから…」 さっき社長の鞄からくすねたチノメアチョコです。 『わぁ!セッちゃんのチョコ!』 セッちゃん? …もしかして社長のこと? あれ、もしかして… 「…メアさん?」 『はい!初めまして小春さん』 うおおおリアルに凄いぃ!! 『セッちゃんからよく聞いてます。話通りの方ですね』 話通り美しきおなごであろう、いやーん、そこまで言われたら照れちゃう。 『他の方々にも声をかけたんですが…「アホ月なんで浮いてるん」「でも小春さんは私達より後にくるはずですよ、それにほら、胸があります」「……」「……」「うわああああ!!」「あああああ!!」となってしまい…』 忠実な再現ありがとうございます。そして人を胸で認識するのやめてください。 「なにか、御用なの?」 『私、今日が死んでちょうど10年目なの。10年経つと嫌でも空に帰らなきゃいけないんだ。今まで何度もセッちゃんに声かけたけど見えないみたいで…伝言お願いしていいかな?』 「え、ちょ、私社長呼んでくるよ!」 『もう時間が…』 あああもうちょっと早ければ!!
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加