第1章

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「…クーリングオフきくのよね」 「はい、10日間以内なら!」 ならギリギリまで様子を見るとしよう。とりあえず10日は家事をサボれるし。 「わかったわ赤ジャージ、とりあえず10日はおいてあげる」 「本当ですか!?ありがとうございます!!」 その気になれば窓から投げれそうだしね。うん。まぁそうと決まれば自己紹介。 「私は桜月小春」 「あ、はい、存じております。桜月小春様。16歳。4月23日生まれ。今春高校進学のため一人この街に越してきて、3歳年上のお兄さんと同じマンションの隣室に住むことに。家は裕福で毎月の仕送りで暮らしており……」 うわー。 リアルに鳥肌ー。 「プライバシー保護法って知ってますか」 「大丈夫、口外は致しません」 口外したら殺すわよ。 「赤ジャージも自己紹介しなさいよ」 私の情報はいらないのよ。知ってるもの。 「私は春、18歳です。タイプは従順。よろしくお願いします」 私の情報と比べて随分薄いわね。まぁいいや、赤ジャージは春というのね。 「さ、じゃあ私お洗濯をしてきますね」 あー、家族に春のこと何て言おう。とりあえず兄さんには話さなきゃな。まぁ10日過ぎてからでいいか。 あ、春の寝室どうしよう。布団あったかなぁ。ちょっと話さなきゃ。 「ねぇ春…」 洗面所の扉を開けて広がった光景。 私の衣類に頬擦りをする春。 「あ!小春様!言い忘れてました!私、春!小春様に一目惚れ致しました!!」 …うん。よし。 「小春必殺サソリ固め!!」 「ぐはぁ!さすがです小春様!」 10日経ったら絶対返品してやる!!
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