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夜の世界は、最近、暴走族など流行らないらしい。
代わりに幅を利かせているのは、『カラーギャング』と呼ばれるグループ。
チームカラーをそれぞれに決め、その色を身にまとうことで、チームの名乗りをあげている。
車などの足を持つメンバーは少なく、代わりに徒歩で市街のゲームセンターなどを活動拠点としていた。
バイクで町を走りまわる爆音神とは、交わる可能性など無いに等しいチームだ。
だが、
「狂乱虎兎(キョウランコト)ってチームの、狂い兎の羽月。聞いたことはない?」
ルイの言う名に聞き覚えがあった。
喧嘩や恐喝、強盗などで、暴走族より警察に目を付けられている男だ。
そして狂い兎が定めた、チームカラーは『白』。
爆音神にチームカラーはないが、しかし総長のトモキが背負う特攻服の色が『白』だ。
漆黒の特攻服の中に、たったひとりで立つ、『白』のトモキは、夜の世界では評判になっていた。
恐れを知らない、孤高の『獣の王』だと。
それを知っていてなお、チームカラーを『白』に定める、狂乱虎兎というチームに、
爆音神のメンバーは少なからずの反感を覚えている。
「あいつら、バクオン、ナメてんすよ」
と、いきり立つ声も聞いた。
だから、いずれはぶつかる運命だった。
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