2 シグナル女 ルイ

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「狂い兎の羽月に、アタシはレイプされたの」 ルイは言った。 ルイは、詳しい話をしたいと、哲郎をラブホテルに誘った。 誘われて断るほど、哲郎も野暮でない。 しかしルイは、抱いても、どこか冷めていた。 ルイの髪は、炎のように赤いのに、腕の中のルイはまるでぬるい激辛ラーメンだ。 経験値としてはプロ相手が多い哲郎だったから、正直、面白いとは思わない。 ルイは求めるでなし、拒むでなし。 哲郎にされるがままに、ただ足を開くだけだ。 だが、哲郎を誘ったのはルイの方だ。 気を使う必要もないと、自分の欲求だけを果たすセックスをした。 しかし、哲郎の腕の中で、 「ねえ、羽月を殺して。絶対だよ」 喘ぐ代わりに、呪いをかけるように呟くルイの唇を見ていると、 ほんの少しだけ、扇情的な気分になった。 この後、黙ってルイを見捨てたなら、この赤い髪と唇は、怒りの炎で燃え上がるのだろうか。
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