2 シグナル女 ルイ

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しかし、 「雨もやんだ。出るぞ」 血だらけの哲郎に声もかけず、ほとんど無視して背中を向けた。 哲郎は、後を追おうとして、ふいの目眩に襲われる。 駆けつけた五十嵐に、体を支えられた。 「テツローさん、無茶しないでください。ボロボロなんすよ」 哲郎の両肩を揺さぶるように話しかけてくる五十嵐も、ずいぶんとやられたようだ。 グルリと目を向ければ、橋元も、壁際に座り込んで、まだ立てない様子でいる。 他の3人など、互いに背中を預けて、意識があるかどうかも怪しい。 しかしトモキは、誰を気遣うこともせず、独り、勝手に歩いていった。
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