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今夜は、誰の目もまっすぐに見返せない。
滾る血を思う存分に爆発させたはずなのに、腹の底のわだかまりが、一向に晴れない。
自分の中の鬼を、
本当は誰に解放したいのか、
どこに向けたいのか、
自分でも気がついているのだ。
だがそれは、
――恐ろしい裏切り。
しかし、
『己の力を試してみたい』
そんな思考に、魅せられる。
ルイの腰を抱いて立ちあがらせ、顔を見ないで強引に口づける。
腕の中で強張っていたルイの体が緩んだのを確認して、ゆっくりとベッドに押し倒した。
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