1 獣の王 トモキ

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トモキの白の特攻服の背中には、黒字で『爆音神初代』と書かれている。 トモキを囲む、他のメンバーも、揃って背中に『爆音神』を背負っている。 つまりは、哲郎以外の全員が、爆音神の、トモキの名の下に集っているのだ。 しかし哲郎は、 「あれは夏向きじゃない。暑い」 と答えた。 哲郎は、トモキの配下になった覚えはない。 あくまでも自分の意志でここにいるのだと、これまでも何度も言ってきた。 トモキは、憮然と眉間に皺を寄せ、 「出るぞ」 と吐き捨てるように言って、また愛車ゼファーで走り出した。
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