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店内には騒々しいロックが流れていて、インテリアもラフでワイルドなアメリカの生活を模倣してある。
アンは若干戸惑い気味にキョロキョロしていたが、文句も言わず、哲郎が運んだハンバーガーを素直に口にした。
「で、何人だった?」
トモキがバーガーを買う列に並ばずに、アンと一緒に席で待っていたのは、なにも哲郎をパシリに使ったわけではない。
「ふたりずつ2組の計4人。おれたちを中に挟んで座ってる。ま、たいしたやつじゃなさそーだけど、物騒なもんは持ってるな」
ハンバーガーを買う哲郎の動きに、注意を払う人間の場所を、トモキに確認してもらった。
ちょうどアンを頂点にして、不格好な三角形の位置で座っていると言う。
「こっちはふたりだ。入り口で張っていた」
アンとトモキを不自然に注目している人間を、哲郎は店内を動いて確認した。
この店は、ただっ広く、仕切りも、太い柱も無いので、身を隠せるスペースが少ない。
その上に、周りを囲む壁はガラス張りで、うかつに外から見張ろうとすれば悪目立ちする。
都合のいいことに、出入り口も4か所あった。
入り口で車を見るフリをして、距離を取りながらこちらを覗うふたり組を除いては、客を装い姿をさらすしか方法はない。
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