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拳銃が衆人の目にさらされて、店内は阿鼻叫喚の騒ぎになった。
身体がすくんだように動きを止めていたアンが、哲郎の声にビクリと反応して、慌ててそれを拾い上げる。
「バカが。間違うな!」
哲郎はトモキに怒鳴り声をあげた。
「悪ぃー。こっちで当たりだと思ったんだよ」
言葉のわりには反省していない様子でトモキは言う。
言いながら盾にした男の身体ごと、正面のレザージャケットに突っ込んだ。
レザーの顔面に真っ向からの正拳突き。
だが男も発砲した。
「――!!」
攻撃はトモキの方が早かったのだろう。
弾丸は関係のないところにすっ飛び、窓ガラスを粉々にする。
発砲音よりガラスの割れる音の方が、よっぽど迫力があった。
銃声はテレビで聞くより、もっとずっと軽い音だ。
しかしトモキは気をとられる様子も見せず、意識のないダウンの身体ごしに、レザーの顔面に頭突きの追撃を加える。
血を噴いてひっくり返ろうとするところを、絞め落とした男を放り捨てて、襟をつかみ腹部にひざ蹴り、2発!
レザーも悶絶して床に沈んだ。
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