第一章 ニューイヤーズデー

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そして翌朝、ぶらりぶらりと身体を揺らしてやってきたトモキの第一声がこれだ。 「チビだな」 王女は日本語には不自由しないそうだから、トモキが言った言葉の意味は解っているはずだ。 それなのに、あからさまに不快だという顔をして、 「……パードン?」 と聞き返す。 トモキがバカなことが、このさい唯一の救いになった。 朝っぱらから、トモキの激怒を止める気力は哲郎にはない。 「いいから、行くぞ」 哲郎はトモキの肩を抱くようにして、トモキの視界から王女をはずした。
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