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「ようオッサン、見せもんじゃないぜ」
ふたりのうちのひとり、獣のように瞳をぎらつかせた男が、ビンディにするどい眼光を飛ばして言った。
『いい度胸だ』
と、ビンディは思う。
だが殺気を隠しきれない未熟さが若い。
もうひとり、獣のような男より、またひとまわり身体の大きな岩のような男の方は、獣と実力が同じなら、よほど場数をこなしているのだろう。
こちらにチラとも視線を向けないで、女を腰抱きにして、はだけさせたセーラー服の肩口に顔を埋めている。
『さて……』
ビンディは辺りを見回す。
まさか、このバカ騒ぎの中に紛れ込んではいないだろうが、間違いなくこの近くに、今回のターゲットはいるはずだ。
ビンディが受けた仕事の内容は、訪日中のある国の王女を捕らえること。
ただし、
『death or alive(生死は問わない)』
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