第6章 レイバーデー

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「ようオッサン、見せもんじゃないぜ」 ふたりのうちのひとり、獣のように瞳をぎらつかせた男が、ビンディにするどい眼光を飛ばして言った。 『いい度胸だ』 と、ビンディは思う。 だが殺気を隠しきれない未熟さが若い。 もうひとり、獣のような男より、またひとまわり身体の大きな岩のような男の方は、獣と実力が同じなら、よほど場数をこなしているのだろう。 こちらにチラとも視線を向けないで、女を腰抱きにして、はだけさせたセーラー服の肩口に顔を埋めている。 『さて……』 ビンディは辺りを見回す。 まさか、このバカ騒ぎの中に紛れ込んではいないだろうが、間違いなくこの近くに、今回のターゲットはいるはずだ。 ビンディが受けた仕事の内容は、訪日中のある国の王女を捕らえること。 ただし、 『death or alive(生死は問わない)』
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