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第2章 マーティン・ルーサー・キングJr.デー
「……マジか?」
「ああ、マジだ」
今日一日で、トモキのこのマヌケ顔をどれだけ拝むことになるんだと、これまたうんざりしながら、傍らで、
「Beautiful!」
「Exciting!」
と声をあげるアンを見下ろした。
アンが望んだ場所。
それは日本国内でも有名なテーマバークだ。
トモキも哲郎も、こんな場所へ来るのは、小学校の遠足の時以来で、チケット一枚購入するにもどうして良いかわからず戸惑ってしまう。
しかしアンが先に立って、パスの他にも、アトラクションに先乗りできるブックレットまで買えと喚く。
仕方ないので言いなりに購入していたら、あっという間に財布の中身が軽くなった。
メインゲートをくぐったすぐにはショップが連なっていて、アンの購買意欲が燃え上がる前にと、足早に通過を試みる。
しかし、すでにアンは、キラキラとした目で上空を通過するジェットコースターを見つけていた。
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