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「ジントニック」
席に座ると迷うことなく注文してきた。
「かしこまりました」
周りの客の手前、下手な態度を取るわけにはいかず、いつ何を言い出すか分からない優弥に営業スマイルを向ける。
それにしても不気味だ。
絶対に何か言ってくると思っていた優弥が静かにお酒を飲んでいる。
多少、会話を交わしたが、それは他愛もないもので確信をつくものではなかった。
30分、1時間と時間だけが過ぎてゆき、先に来ていた客が徐々に帰って行って、気づけば奥のテーブル席の客が1組だけとなった。
平日だし、今日はもうあまり客も来ないだろうとバイトを帰らせたのを見計らってか
「今日は美月、来ないのか?」
ずっと大人しくしていた優弥が真っ直ぐ俺を見据えた。
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