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誰だってそうかもしれないけど、自分の弱い部分を他人に曝け出すのは、すごく苦手だ。
特に俺は客商売で日頃から人の話を聞いたり、相談に乗ったりする立場で。
話を合わせて軽く話すことはあったとしても、決して自分の事は深く話すことはない。
だから、いつの間にか長い付き合いになっていたユキにさえ弱音を吐くのは苦手だった。
だけどユキはそんな俺の事も分かってくれていて、こうして理解もしてくれている。
口に出しては言えないけど、すごく有難いと思った。
だから……
そんなユキだからこそ曝け出そうと思った。
「―――自信がないんだ」
ユキに注いでもらった酒に口を付け、深いため息とともに俺は弱音を吐いた。
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