中村、恋を知る②

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言った瞬間、刈谷くんの顔がさらにぼんっと赤くなって、それから泣きそうになったのに気が付いて、俺は焦って「いいんだよ!」と良く分からないフォローを入れてしまっていた。 だって泣かれたくないし泣かせたくないし、そもそも泣く必要ないじゃん、コレ。俺の思った通りなら。 「刈谷く……」 「天罰だ」 何を神妙なことを言いだすのかと思ったら、さすが刈谷くん。俺の想像の斜め上である。 「天罰って、刈谷くんなんか悪いことしたの?」 全くもってしなさそうだけど。むしろ刈谷くん善良だろ。根本的に。だがその本人が懺悔するかのごとく、重々しく頷いた。 「した」 「なにしたの!? ちょっとそこは気になるけど、でも例えうっかり何かしたんだとしてもさ、天罰はおかしいでしょ」 「なんでだ?」 「俺も良くは分かんないけど、いきなり神様に決定権飛ばさないで、まずその何かしちゃった人に怒られてからの話じゃないのと、俺は思うわけだけど」 話がどんどん遥か彼方に逸れて行っている気がしなくもないが、これで刈谷くんの胸のつかえが取れるのならば結果オーライである。 咀嚼するみたいに、眼を瞬かせている刈谷くんに笑いかけてみた。
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