第1章

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「彼は同じ図書委員の小久保文君よ」 「どうも……」 紹介されたから軽く頭を下げる。見上げると眉間に皺を寄せて、……怒っているのか? 「俺はやっさんだ」 出された手を握れば、力強く握り返される。手は赤くなっているし、普通に痛い。 長い時間そうやっていた気がする。 「何だよ、詞ちゃん! 男連れで来るもんだから、爺婆が年甲斐もなく浮かれてよ。やっぱり違うよな!」 やっと解放されたかと思えば、急に機嫌が良くなって、今にも踊り出しそうだ。 情緒不安定にも程があるだろう。 .
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