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お年寄りは帰ったようで直木しか残っていない。
「小久保君、どうしたの?」
どうしたって言われても。目線が下がって、渡された漫画と目が合った。
「それ、やっさんの大切なコレクションじゃない」
「これってそんな凄いものなの?」
答えはないが、少し笑った。あまり、雑に扱わない方がいいみたいだな。
「大切なら、人に渡すなよな……」
せめてもだ、汚れなさそうな本棚の上の隙間に置いていくか。
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