第1章

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「そうそう、その本はね――」 話している直木の後ろに拳銃を向けている奴がいる。本人は話に夢中で気付いていない。 「――危ない!」 そいつが指を引くのと同時に僕の体は勝手に動いていた。 耳が痛くなるくらいの破裂音が届く頃には、小指程の塊が腹部に当たる寸前だった。 なのに、死を目前とすると本当にゆっくりと見える現象はあるのだと、ただ感心していた。 .
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