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次、瞬きした時には体が後ろに飛んで、本の雨を浴びていた。
頭に落ちてきた週刊ステップの角は普通に痛い。
「小久保くん! 大丈夫!?」
さっきまでは余裕綽々だったのに、今は泣きそうな顔をしている。
「……平気で、はない」
正直、話すのもやっとの満身創痍だ。
「まさか、……それで?」
直木の目線の先、僕の右手には“人生終了”が握られている。
「とっさに弾の威力を下げたと言うの……」
確かにあの一瞬、直木を突き飛ばし、手はポケットに入れた本へ伸びていた。
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