0人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
「活字の暴力はやめてくれないか?」
「あら、そんなつもりは無かったわ」
注意すれば、いつものあっけらかんとした態度に戻る。
「って言うか、その古書は一体何なの?」
指摘をすれば、古書を閉じて、また背凭れに座る。きちんと椅子に座らないのは癖みたいだ。
「これは私の手作りよ。ちょっとした趣味なだけ」
黒革の表紙を優しく撫でる。さすが変人と呼ばれる人、変わった趣味をお持ちで。
.
最初のコメントを投稿しよう!